公務員を辞めて、中小企業に転職した理由。「行政の経験は、遠回りだと思っていました」
公務員時代、予算資料を作りながら、ふと手が止まる瞬間がありました。
この資料は、いつ、誰の役に立つんだろう。
去年も、同じような資料を作った気がするな。
この経験は、この先どこかで通用するんだろうか。
もし、公務員のあなたも今の仕事の中で、
「自分の仕事が、誰にどう届いているのか分からないな」
「安定はしているけど、この先の自分が見えないな」
そんな感覚を抱えたことがあるなら、この記事はきっとお役に立ちます。
なんとなく漠然と不安を抱えている人に届けば良いなと思って書きました。
結論:欲しかったのは「自由」より「近さ」でした
わたしは今、府県庁の食品行政の仕事を辞めて、中小の食品メーカーで働いています。
公務員からの転職を決めた理由を一言で言うなら、「もっと自由に挑戦したかったから」ではありません。
「自分が生み出した価値を、もっと近くで感じたい」。
当時はそう、本気で思っていました。
制度を作る仕事は、成果が見えるまでが長い
行政の仕事は、社会を支える大切な仕事です。その考え方は公務員を辞めても変わりありません。今でも本気でそう思っています。
制度を作る。
予算を付ける。
関係者と調整を重ねる。
どれも欠かせない仕事です。
ただ、正直に言うと、「自分が考えたことが形になって、誰かに届いた」という実感を得る機会は、それほど多くありませんでした。
一方で、民間企業なら商品やサービスとして世の中に出て、
「ありがとう」
「売れた」
という反応が、比較的早く返ってきます。これは本当にやりがいを感じました。
もちろん、その反対の厳しい意見もいただくことも多々あります。
でもそこに魅力を感じたんですよね。
「面白そうだからやってみよう」が、通りにくい場所だった
もうひとつ、心のどこかに引っかかっていたことがあります。
行政は、公平性や前例を大切にする組織です。
もちろん、それ自体は必要な慎重さです。
でも、何度か思ったことがあります。
「民間なら、もっと早く試せるんだろうな」
「前職の大手食品メーカーでも結構意思決定が遅かった気がするな」
組織を離れる理由として、「もっと自由に挑戦したい」という気持ちもありました。
でも。「自分が生み出した価値を、もっと近くで感じたい」という思いのほうが、わたしの中ではずっと強かったです。
行政を経験したからこそ、民間で気づいたこと
公務員から民間企業へ転職して、一番大きく感じた違いは、「正解」そのものが違うということでした。
行政では、「間違えないこと」がとても重要です。
法律や制度に沿って、誰に対しても公平に判断する。
それが当然のように求められます。
でも民間では、「正しいこと」だけでは十分じゃないんです。
お客様に選ばれること。
利益を出すこと。
現場が回ること。
持続可能な成長ができること。
これらを、同時に満たさないといけません。
行政では100点だった仕事が、民間ではまったく評価されなかった経験もあります。
逆に、行政では採用されないような考え方が、民間では大きな成果につながることもありました。
最初は、正直、戸惑いました。
「まず動く」文化に、最初は戸惑いました
もうひとつ印象的だったのが、スピード感です。
行政では、「十分に確認してから動く」のが基本でした。
当然、意思決定のスピードは遅くなります。
社会や関係者に与える影響を吟味し、慎重に判断しなければならないからです。
でも民間では、「まず動いて、小さく修正する」場面が、想像していたより多かったです。
というか、それがほぼ全てでした。
正直、最初はついていくのに必死でした。
それでも、行政で培った「リスクを見抜く力」は、ちゃんと役に立ちました。
品質管理でも、食品安全でも、「どこで事故が起きるか」を先回りして考える習慣。
これは、行政にいたころに嫌というほど鍛えられた感覚です。
だから今は、こう思っています。
行政での経験は、遠回りではありませんでした。
むしろ、民間で武器になる経験やスキルだと感じました。
まだ迷っている人へ
今の仕事に不満があるわけじゃない。
でも、この先もこのままでいいのか分からない。
そんなふうに感じている方は、きっと少なくないと思います。
わたし自身、転職してよかったと胸を張って言えるようになるまで、正直、時間がかかりました。
でも、遠回りに見えた経験が、あとから武器になることは、本当にあります。
次回は、実際に転職活動をする中で、一番壁にぶつかった「職務経歴書」の話を書こうと思います。
これは、心が折れかけました。かなり厳しいコメントもいただきました。
この体験談は次回の記事で紹介します。
ここまで記事を読んでもいただき、ありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう!
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※この記事はわたし個人の経験・感じ方に基づくものです。転職の状況は人によって大きく異なります。
